議会報告No.123   2015年3月15日


羽曳野市3月議会 若林信一市議代表質問

今こそ「福祉の増進」すすめ、
    市民の暮らし・福祉・教育の充実を!

 2月28日、「土曜議会」で、日本共産党羽曳野市会議員団を代表し、若林信一市会議員が市長の施政方針に対し、7つのテーマで代表質疑をしました。以下、その主な内容です。

 

  1. 羽曳野市を取り巻く社会経済情勢について

     市長の施政方針では、「昨年12月の総選挙で安倍政権は国民の信任を得た」「経済状況は、緩やかであるが回復の基調にある」などと、安倍政権や国の経済政策を評価しています。しかし実際は、民意をゆがめる小選挙区制のもとでの「偽りの多数」の議席であり、安倍政権が押しすすめる消費税10%増税や原発再稼働、「海外で戦争する国」づくりなど、どの問題も国民の多数が反対しています。しかも安倍政権は、消費税を8%に増税し、一方で、社会保障費の「自然増分削減」で医療・介護・年金など、手当り次第に切り捨てようとしています。  又、羽曳野市の街かどデイハウスの補助金削減や学校警備員の補助金カットなど、いのちや暮らしを削る大阪の政治、大阪をこわす維新の政治「大阪都」構想など、国や大阪府、「大阪都」構想について、どう考え対応するのか質問しました。
     市長は、「国や府がどういう状況でも、行財政運営の最適化をはかる。維新の政治には答える立場にない。大阪都構想は動向を注視する。」との答弁で、国や府などの悪政や「大阪都」構想に立ち向かい住民を守る立場の答弁は無く、市長として無責任な対応ではないでしょうか。

  2. 市政運営の基本方針について

     羽曳野市の本来の仕事は、地方自治法に示されている「福祉の増進」です。しかし、子ども医療費助成の近隣市との比較や、国民健康保険料・介護保険料金の大阪府内との比較で、羽曳野市は遅れた市になっています。そこで「福祉の増進」について質問しました。市長は、「公共の福祉の増進のために誰もが安心して暮らしていける街づくりを進める」と答弁しました。

  3. 住民の生活実態について

     市民の生活実態は施政方針の出発点です。しかし、施政方針では「人口減少と高齢化はさけることが出来ない課題」と述べていますが、介護保険料は上がり、生活保護世帯は増え続け、給与所得者の収入は、この10年あまりで年収が200万円以上落ち込んでいます。この生活実態をどう考えているのか質問。市長は「賃金や個人消費に経済の好循環が届いているとは言い難いが、回復の基調にあると認識している」との答弁で、市民の暮らしが増税不況で厳しくなっているという認識はありませんでした。

  4. 施政方針の重点施策について

     「教育」では、市の西部地区に開設する『こども園』や、保育所・幼稚園の保育料はどうなるのか、保育所の公私間格差の是正について質問。市長は「『子ども園』は、同じ敷地内に幼稚園と保育園があるような形をイメージしている。幼稚園の保育料は国の動向を注視し、速やかに決定する。保育所の保育料は、国基準の7割で進めたい。保育所の公私間格差は縮小されているが、園児一人当たり年間20万円以上の格差については調査をする」と答弁。「観光」では、歴史資料館をつくることを提案し質問。市長は「大阪府立近つ飛鳥博物館や藤井寺市と連携を深め、来訪者に情報発信する」と市独自に歴史資料館をつくる答弁はありませんでした。

  5. 新年度に取り組む新たな施策について

     「地域防災計画」の策定、市の庁舎の耐震化、一般家庭への太陽光パネル設置の補助、介護保険料の抑制と施設の増設、国民健康保険制度の一元化、子ども医療費の助成の拡充について質問。  市長は「地域防災計画は、南海トラフ巨大地震での想定震度『6弱』、生駒断層帯14の地震での想定震度『7』及び『6強』への対応を図る。市庁舎の耐震化は平成27年度の公共施設等総合管理計画の中で検討していく。一般家庭への太陽光パネル設置の補助は、個人財産の補助でなく、施策を工夫していく。介護保険・国民健康保険は、制度改正など国の動向を踏まえ、適正な保険料の設定を行っている。子ども医療費助成は、子ども・子育て施策を総合的・効果的に展開する中で検討していく」と答弁しましたが、市長は予算案では、介護保険料の標準額を年間1万2千円以上引き上げるなど、「福祉の増進」とは逆行する予算を提案しています。

  6. 財政の健全化について

     財源は「福祉の増進」に充てること、地方創生先行型1億800万円と地方消費税交付金17億円の活用を質問。市長は「財政運営は住民福祉の増進を目的とし予算案を示している。1億800万円は国と協議をし、地方消費税交付金は、増額分7億円を社会保障経費等の財源に充てる」と答弁。

  7. 政治姿勢について

     消費税10%への増税ストップ、憲法9条を守り戦争への国づくりストップ、農業を破壊するTPPからの撤退、原発再稼働反対という国民の暮らしと平和を守る重要な問題について市長の政治姿勢を質問。市長は「消費税10%の増税やTPPの交渉は、国が国益を守るために舵取りをすることを期待しその動向を注視したい。」という国の悪政から住民を守る答弁ではありませんでした。