議会報告No.230 2021年4月11日
2021年3月市議会
2021年度予算議会 コロナ対策とくらし・営業を応援する予算を!
3月30日(火)令和3年度羽曳野市議会第1回定例議会が閉会しました。最終の本会議では、一般会計予算、6件の特別会計予算、2件の事業会計予算と7件の議案、1件の報告が審議されました。以下、その主な審議内容をお知らせします。
●新条例による任期付き職員の採用は、その必要性を慎重に審議すべきと反対
★今回新たな条例で、新たに特定任期付き職員を採用する議案ですが、市は採用予定の職員は『高度な専門知識経験を有する者』として、弁護士と都市計画に関する技術職職員としています。しかし、次の5点を理由に反対しました。
- この条例による職員採用に必要性については明確に示されず、庁内でも論議が尽くされているとは言えないこと。
- 選考については公募ではなく、特に都市計画に関する技術職については、大阪府に人選を依頼していることから見ても、その人ありきの形だけの選考であること。
- 任期が5年までとなっていることから専門性の継続が担保できなくなること。
- 特定任期付き職員には、超勤手当や休日手当などを支給しないとして、災害などを想定したあらゆる業務に対応できないこと。
- 当該労働組合との十分な話し合いもなく上程したことは労使の信頼関係を損なうものであること。
この議案は、総務文教常任委員会では 3:2 で否決となりました。しかし、本会議では日本共産党と自民党が反対しましたが、他会派の賛成多数で可決となりました。
●敬老祝い金を1300万円削減する議案は継続審査
★この議案は、これまで77歳、88歳、100歳、101歳以上の高齢者に、敬老祝い金としてお祝いされていたものが、77歳と101歳以上は廃止され、88歳は3万円から1万円に、100歳は10万円から3万円に縮小されるものです。これまでの祝い金は『ふるさと納税返礼品とタクシー券』に変更されます。
- 長寿を祝う気持ちや、ささやかな楽しみを削る冷たい市政であること
- 対象から外れる高齢者は1661人で、削減額は市政全体の0.03%に過ぎないこと
- もっと高齢者の意見を聞いて取り組むべきであること
日本共産党は以上の3点を理由に反対しましたが、「この議案はさらに審議すべき」と継続審査となりました。
●国民健康保険料は基金を活用して引き下げを
★令和3年度の国民健康保険料を決める議案では、今回初めて基金を1億円活用して保険料の引き下げに充てられました。しかし、前納報奨金制度を利用していた方々にとっては実質負担増です。前納報奨金制度を全廃したことで8千万円の財源ができたため、実質基金からは2千万円しか取り崩しておらず、まだ約9億円の基金があります。コロナ禍の中、基金を思い切って取り崩し、保険料の大幅な引き下げをして暮らし応援すべきと強く求め反対しましたが、賛成多数で可決となりました。
●介護保険料は基金を全額取り崩し引き下げを
★この議案は第8期の介護保険料を決める議案です。今回、保険料を14段階すべてで引き下げられました。しかし、約10億2千万円介護給費準備基金は例年すべて取り崩し、保険料引き下げに充てていましたが、今回は約5億円を基金に積み立てました。コロナ禍の中、介護給費準備基金はこれまで通り全額取り崩し、保険料を引き下げるべきと強く求め反対しましたが、賛成多数で可決となりました。
●一般会計予算には反対
★本予算は子ども医療費助成を18歳まで拡大することや子育て世帯の負担軽減、教育施設の耐震など評価できるものもありますが以下の4点で反対しました。
- コロナ感染症防止策が当初予算に入っていないこと。
- AIやロボテイックや企業誘致が重視され、暮らし応援・教育福祉の施策が不十分であること。
- 行政の要である公共施設の役割を軽視していること。
- 行財政改革の視点が市民の立場に立っていないこと。
コロナ禍の中、市がやるべきことは国や府まかせにせず、積極的なPCR検査を行い市民の命を守り、暮らしや営業を守る施策を積極的に取り組むことを要望し反対しましたが、賛成多数で可決となりました。
●「財産区特別会計予算」「土地取得特別会計予算」は、全会一致で可決しました。
●国民健康保険特別会計予算には反対
★党議員団が求めてきたこどもの均等割り減免が独自に実施されるなど評価できる点もありますが、以下4点で反対。以下の4点で反対しました。
- コロナ禍の中、基金を使って保険料を下げるべき。
- 短期証や資格証の発行がされていること。
- 滞納者への説明が不十分で差し押さえが行われていること。
- コロナ対策の傷病手当てが不十分であること。
国の削減した国庫負担を戻すことを、市として強く要望すべきとして反対しましたが、賛成多数で可決となりました。
●と畜場特別会計予算には反対
★施設の修理費が今後も大きな負担となることや、今後のと畜場のあり方を話し合う協議委員会がH29年4月以降開かれておらず、問題や課題を前にすすめる努力がされていないことを理由に反対しましたが、賛成多数で可決となりました。
市長が代わったっことを機会に、協議委員会を開き、と畜場の将来的な方向性やビジョンを示し、話し合いをすすめるよう要望しました。
●介護保険特別会計予算には反対
★地域包括支援センターを増やす予算やサービスの水準を維持した総合事業の実施、介護予防事業への取り組みは評価しますが、主に以下の3点で反対しました。
- 介護給費準備基金を全額取り崩して保険料引き下げをしないこと。
- 制度改正されるたびに利用料の負担増などさら なる負担増が行われること。
- 介護現場へのコロナ対応や対策が立てられていないことと共に、市として国や府に公費負担を大幅に増やすよう強く求めることを要望し反対しましたが、賛成多数で可決となりました。
●後期高齢者医療制度特別会計予算には反対
★この制度は、以下3点を主な理由として反対しましたが、賛成多数で可決しました。
- 高齢者を年齢で区切り、別枠の医療保険に囲い込んで、負担増と差別を押しつける制度であること。
- 保険料が8割軽減されていた方が7割減免となり、さらに重い保険料負担となっていること。
- さらに窓口負担を2倍化しさらなる負担を押しつけようとしていること。
●令和3年度羽曳野市一般会計補正予算(第1号)は賛成
この議案は、主にコロナ感染が拡大する中、羽曳野市独自コロナ対策として予算化された施策の補正予算で、約8億円を超える補正となっています。その内訳は、コロナ対策として国から地方創生臨時交付金が約4億8千万円、市の貯金である財政調整基金の約3億円です。しかし、この議案は追加議案として最終議会へ上程されましたが、8億円を超える補正予算からみて、しっかりと審議すべきものでしたが、十分審議する時間がありませんでした。日本共産党は、今後は審議が十分できるよう議案を上程すること、またコロナ対策の臨時交付金をもとにする事業であれば、国や府まかせではなく、市独自に大規模なPCR検査を行いコロナを封じ込める対策を市が率先して進め、市民の命と暮らしを守ることを強く求めました。この議案は、全員一致で可決しました。
以下事業内容です。
◆地域活性化補助事業 予算額2億円
★2回ワクチン接種した人に2000円の商品券を配布する事業。個別接種の方は、接種済みのクーポンを持参して市内15か所の引換場所で、集団接種の方は2回目を接種した集団接種会場で商品券と引き換えることができる事業です。
◆小学校給食費の無償化、中学校給食の半額化 予算額 約2億8500円
★小学校給食費低学年250円、高学年260円分の無償化と中学校給食費1食300円の半額化。
◆児童手当受給者未就学児養育世帯給付金 予算額約2800万円
★ 児童手当支給世帯のうち未就学児対象(約5000人)で児童一人当たり5000円を支給する事業。
◆感染防止・防災セット購入補助事業 予算額 1億5500万円
★各世帯に購入券が配布されます。その購入券をもって1000円を支払って予約を行い、その時に引き換え券を受けとり、後に防災セットと引き換える事業。
◆キャッシュレス決済還元事業 予算額 約2億8500万円
★キャッシュレスに対応している中小業者の加盟店で
7月1日~8月31日までの2か月間、利用額の20%、
1人上限5000円分を還元する事業。サービス利用に関する講習会なども実施をする予定。
◆その他 予算額 7900万円
★健康遊具を市内13か所の公園に設置。
★集団接種場所となるコロセアムのトイレの洋式化。
★交通事業者への需要減少の補填をする補助事業。
●水道事業会計予算には賛成
★給水を安全に安定的に行うため、施設改善や、技術職員採用を計画的に行うこと、また、大規模災害や人口減少にも対応できるよう、継続的な安心安全な水の供給を要望しました。 コロナ対策で令和2年度は半年間基本料金が無料となりましたが、令和3年度もコロナ対応の臨時交付金の活用で負担軽減を要望し、全員一致で可決しました。