議会報告No.295 2024年9月29日
—委員会報告—
重すぎる保健料負担を軽減する姿勢が見られない決算
民生産業常任委員会 ささい喜世子 市議
◆保険料の大幅値上げとなる「府内完全統一化」に改善を求める姿勢がない決算は不認定 (国民健康保険特別会計決算)
令和6年度からの府内完全統一化に向け、市独自の障害者減免制度もなくなり、11億5千万円の基金も7千万円しか取り崩さず、さらなる保険料の値上げで、物価高騰で苦しむ市民生活に大きな負担を強いています。他の自治体では基金を保健事業として活用し、市民負担軽減をしたり、完全統一化の制度改善を求める意見を届けるなどの取組がされていますが、羽曳野市は、市民の暮らしに目を向けず、府内統一化を推進している姿勢であることから決算は不認定としました。
◆基金を全額取り崩して、高い介護保険料を下げる努力をしない決算は不認定 (介護保険特別会計決算)
令和5年度も第1号被保険者に対し、要介護者数は2割で、8割の方は自立しています。第7期までは基金を全額取り崩し、保険料引き下げに充てていましたが、令和5年度は約11億4千万円の基金を約7億円しか取り崩さなかったため、9期はさらに保険料が引き上げられました。
基金を全額取り崩せば保険料を引き下げる事が出来たのにそうしなかったこと、また保険料は、本人が非課税でも同居人に課税所得があれば、保険料が引き上げられる矛盾があること、そして介護サービスの利用料負担が重くなり、サービスを利用したくても利用をためらう制度設計となっている制度であることから、決算は不認定としました。
◆高齢者へさらなる負担増を押しつけ、受診抑制を強いる決算は不認定(後期高齢者医療特別会計決算)
後期高齢者医療制度は、広域連合で運営が行われ、保険料や減免についても市独自では対応できません。 被保険者の大半が年金に頼る生活の中、物価高騰により年金額は実質目減りし、令和6年度保険料は年間一人当たり約8千円の値上げです。今後も子育て世代の負担まで保険料に上乗せがされようとしています。
所得により窓口での自己負担割合を増やし、高齢者にさらなる負担増と受診抑制を強いている決算であることから不認定としました。
◆と畜数が激減し、施設管理運営が一般会計からの繰入れに頼った決算で不認定 (と畜場特別会計決算)
年間6千頭と見込んでいた「と畜頭数」が4500頭と見込まれる中、施設の改修で一般会計繰り入れが、約9千万円となりました。羽曳野市では、今後も「市立と畜場」として運営することを決め、今後10年間の「経営戦略」を立てましたが、これからの施設改修や機器の更新の費用は補助金を活用できる予定もなく、公営企業会計でありながら一般会計からの繰り入れに頼らざるを得ず、年々その金額はが増えていきます。しかし羽曳野市には食肉以外にも地場産業があり、一般会計からの繰り入れは、税の公平性の担保や、今後の市全体の財政にも大きく関わることが予測される中、今後の運営見通しを早急に検討していくべきですが、そうした姿勢が見られないことから、決算は不認定としました
9月24日、建設企業常任委員会が行われ、水道事業会計決算は全会一致で認定されました。下水道事業会計決算は下記の理由で不認定としましたが、賛成多数で認定されました。
市民生活をかえりみない下水道料金25%値上げの決算
建設企業常任委員会 南れい 市議
◆水道事業特別会計決算
水道施設の管路や浄水場、配水池の耐震化については大阪府平均より高くなっており、今進められている第6次水道施設整備事業の完了となる今年度には、壺井配水池が完成すれば配水池の耐震化は100%になるとのことです。また、水の需要に合わせてダウンサイジングを行うなど、第6次水道施設整備事業が順調に進められていることから、今決算については認定としました。
◆下水道事業特別会計決算
令和5年度も物価高騰が続き、少ない年金や上がらない実質賃金で暮らしが非常に厳しくなっている中での、下水道使用料金25%もの大幅な値上げをされた決算となりました。
さらに市は、使用料を4年に1回は見直しをする必要があるとし、今後も市民負担が増えることが懸念されます。市民の暮らしや生業を守るのが自治体の役割ですが、市民生活をかえりみない値上げとなる決算であることから不認定としました。
また、これまでも下水道使用料が引き上げされる際には、審議や検討がされてきました。しかし今回の25%の大幅な値上げは、令和5年の3月議会に突然上程され、市民から「料金引き下げの請願」が届けられたにもかかわらず、わずか1か月余りの短期間で議決されました。今後、使用料を見直す際には、市民の声や生活実態をしっかり把握し、十分に審議して取り組むべきことを意見として述べました。
※わたなべ真千市議は副議長で質問できません。